「夜はそのまなざしの先に流れる」を聴いて感じたこと
「夜はそのまなざしの先に流れる」空気公団
これもceroのマイロストシティ同様、2012年の秋頃にリリースされたアルバム。
空気公団ってキャリアが結構長いバンドやと思うけど、このアルバムで初めて聴いた。女性ボーカルの三人組。
イヤホン通して初めて一周聴いたとき、うわあ好きだ!と思った。
偉そうに言うと、曲はさることながらアルバムとしてのコンセプトがすごく好きだったのだった。
そのコンセプトというのが、アルバム全体の構成が夜から朝に向けて時間が流れるようにしているということ。
勝手な想像では
1曲目 夜10時くらい
長くなるので割愛するけど、とんで
8曲目 深夜3時~4時
9、10曲目 朝5時~6時くらいかな。
BGMとしても聴けるし、じっくり聴くこともできる。
そして、このコンセプトを後押ししているのが、ライブ録音だということ。
独特の緊張感が夜の静かな感じをすごいうまくとらえていて、ぐぐぐぐぐっとくる。
そして歌詞も好き。
1曲目の「たまにいいとこ見せたくなって~」のくだりや
4曲目の「僕は何一つなしとげたことがない~」
10曲目の「意味なんて答えじゃない~」
といった、さりげなく人の心の奥をとらえるような言葉チョイスがいい。
ほんでこの歌詞をまっすぐな声のボーカルが歌うからなお好きです。ゲストの山本精一の声もいいんだな。
演奏も全体はポップスやねんけど、ポストロックかと思うアレンジも一瞬ちらりと出てきたりとして、うきっとする。
このアルバムの後
「空気公団作品集」→「春愁秋思」→「おくりもの」
の順で聴いたけど、うん、どれもいいアルバムや。とにかく良いポップスだった。
そして他のやつを聴くたびに、この「夜は~」は独特な作品だとも思った。